表皮・真皮・皮下組織の3層からなる皮膚

表皮・真皮・皮下組織の3層からなる皮膚

表皮・真皮・皮下組織の3層からなる皮膚

人間の皮膚は大きく、表皮真皮皮下組織の3つで構成されています。

 

一番外側の皮膚は、わずか平均0.3mmという厚さながら、さらに上に角質層、顆粒層、有棘層(ゆうきょくそう)、基礎層の4つに分かれています。

 

皮膚の表面を覆う表皮細胞は、いちばん下の基底層で生まれ、少しづつ、上へと押し上げられてやがて角質層に達し、アカとなって剥がれ落ちていきます。

 

最外層の角質層が、肌や体を守る役割をしています。
スキンケアが悪いと、この角質層を痛めてしまい、乾燥肌や敏感肌になるのです。

 

また表皮の下にある真皮は、栄養分を表皮に送り、皮膚の弾力をつかさどっている組織です。

 

ここには、膠腹組織のコラーゲンと弾力組織のエラスチンという物質があり、
互いに交差しながら、皮膚のハリと弾力を保っています。

 

真皮のコラーゲンは、女性が気にする「シワ」に関係する部分です。
真皮の70%はコラーゲンという硬いタンパク質の線維でできていて、これが老化で減ったりすることがシワの主な原因です。

 

さらに繊維質と皮下脂肪からなる皮下組織は、筋肉や骨を外部の刺激から守るクッションとしての働きをするほか、
体温の放出を防いだり、皮膚への栄養を送り込む源にもなっています。

 

皮下組織は脂肪やそれを含む線維性の組織でできており、体温をまもったり、クッションのように衝撃をやわらげたりする働きをしています。

 

乾燥やシミ、シワなどの悩みに対するスキンケアをする上で、この3つの層を知ることは不可欠です。
どの層に原因があるかを考えて、そこに効かせるようなケアをしないと意味がないからです。

表皮

肌の内から外から守る”壁”

「表皮」が果たしている役割

外的刺激を寄せ付けず、肌内のうるおいを守る

@外部の刺激から肌を守る役割
肌の最も外側の部分は角質層と呼ばれ、死んだ細胞の層でできています。
死んだ細胞が煉瓦のようにびっしりと並ぶことで角質層は強固な壁となり、外からの物質の侵入を防ぎます。
これがあるから海に入っても塩分が体に入ってくることもないのです。
このような機能は、角質層のバリア機能と呼ばれます。

 

表皮・真皮・皮下組織

強いクレンジングで肌をこすったり、入浴時にざらざらとした硬いタオルで肌をこすったりすると、角質層が痛んですきまができ、外からの物質が入り込みやすくなります。

つまりバリア機能が低下するのです。
するといろいろな刺激が肌に侵入しやすくなり、化粧品がしみたり、体のあちこちがかゆくなったりします。

 

まちがったスキンケアで角質層を傷め、自分で敏感肌を作り出している人が多いので注意しましょう。
顔の角質層の厚さは、約20ミクロンしかありません。
強くこするなど、乱暴に扱ってはいけないのです。

 

角質層の下は表皮。
ここは生きた表皮細胞が積み重なってできています。
外界から物質が角質層を通り抜けて入ってくると、表皮内の免疫を司る細胞がそれを感知し、排斥するよう働きます。
これを皮膚のもつ免疫反応といいます。

 

A肌のうるおいを守る役割
肌が乾燥しないように守っているのは角質層にあるセラミドという物質です。
角質層細胞の間には細胞間脂質と呼ばれる脂質があり、その40%を占めるのがセラミドです。
セラミドは水と結合して蒸発を防ぎ、それが肌の水分になっているのです。
つまり、セラミドがたくさんある肌が潤い肌といえます。

 

セラミドを含む保湿美容液を使うことが、最適のうるおいケアになります。
また、オイルクレンジングなどの強いクレンジングを使うと、肌のセラミドが溶け出してしまうので注意しましょう。

 

表皮・真皮・皮下組織ヒト型セラミド配合:アヤナス トライアルセット

 

真皮

ハリ・弾力はココの若さが決め手に!

「真皮」が果たしている役割

強力なネット構造で肌の弾力をキープ!

真皮にはコラーゲンという丈夫な線維がはりめぐらされ、そのところどころをエラスチン線維が支えています。
鉄筋のビルにたとえると、コラーゲンがビルの鉄骨で、それを止めるボルトがエラスチンです。
このコラーゲンとエラスチンの構造が肌を支えているため、肌は外力に耐えられるのです。

 

さらにそのまわりを埋め尽くしているのがヒアルロン酸などのムコ多糖類と呼ばれるゼリー状の物質です。
ビルでいうと鉄筋のまわりを埋めるコンクリートの部分です。
ムコ多糖類は水分を抱える性質があるため、真皮には約65%の水分が保たれています。
赤ちゃんの肌にはムコ多糖類が多く、真皮の水分が80%にもなるため、赤ちゃんの肌はやわらかく透明感があるのです。

 

しかし、加齢や紫外線の影響でコラーゲンやエラスチンは変性し、硬くもろくなります。
40代に入ると、コラーゲン・エラスチン・ムコ多糖類ともに新たに作られる量が激減します。
女性ホルモン(エストロゲン)や成長ホルモンが減ることが、コラーゲン減少の一因です。

 

表皮・真皮・皮下組織すっぽん由来コラーゲン配合:スッポン小町

 

皮下組織

体を外力から守るクッション!

「皮下組織」が果たしている役割

エネルギーを蓄えたり体温を維持する大切な存在

皮下組織は主に皮下脂肪と呼ばれる脂肪組織。
柔らかい脂肪を線維の膜が包んでいます。
皮下組織はエネルギーを蓄えるほか、クッションの役割を果たして体を外力から守ったり、体温を維持する働きはあります。

 

脂肪を包む線維の膜もコラーゲンなどでできているので、老化とともにたるんできます。
そのため頬のような脂肪が多い部分は、皮膜が脂肪を支えきれなくなって下がり、たるみになります。
下がった部分に段差が現われたものが法令線やマリオネットラインであり、二重アゴになることもあります。

 

たるみは皮膚の深いところの変化なので、セルフケアで改善するのはなかなか難しいです。

 

強く引っ張るようなマッサージをすると、コラーゲン線維が傷んで、逆にたるみを悪化させることも。
超音波マッサージ器などの美顔器を使う方がおすすめです。

 

スキンケア用語集

◇細胞間脂質
角質層の細胞と細胞の間にある脂質。
水分を保持して逃がさないという特質がある。

 

◇コラーゲン線維
丈夫なたんぱく質の線維。
真皮の約70%を占めている。
人体には30種以上のコラーゲンがあり、真皮にあるのはT型コラーゲン

 

◇エラスチン線維
タンパク質からできている弾力性のある線維。
真皮の3〜4%にすぎないが、コラーゲンの骨格を維持する重要な役割を持つ。
加齢とともに減少していく。

 

◇エストロゲン
女性ホルモンの一種で卵胞ホルモンともいう。
月経周期に関わっているだけでなく、肌のコラーゲンを維持したり、髪を豊かにしたりする働きもある。

 


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